キアンティとキアンティ・クラッシコ

コンビニエンスストアから高級レストランまで、イタリアワインを取り扱うほとんど全ての場所で見かける「キアンティ(Chianti)」と「キアンティ・クラッシコ(Chianti Classico)」。

この二つのワインは、共通してトスカーナ州のフィレンツェとシエナを中心として造られている赤ワインで、「サンジョヴェーゼ(Sangiovese)」という黒ブドウ品種を主体に造られます。

名前こそ似ていますが、この二つは同じワインではありません。
それが最も明白にわかるのが、その格付け(DOP法 -原産地呼称管理法-)です。

キアンティ地方において最も伝統的なエリアで造られるキアンティ・クラッシコ。
そしてそのキアンティ・クラッシコ地区を取り囲むようにし広範囲に広がる地域で生産されるキアンティ。

地方だけでなく、この二つはそれぞれ使用可能なブドウ品種や熟成期間の規定が異なります。

サンジョヴェーゼとは

サンジョヴェーゼはイタリア中部地方を原産とする黒ブドウで、今日イタリアで最も栽培の盛んなブドウ品種です。

近年では南北アメリカ大陸やオーストラリア、日本でも栽培されており、イタリア起源のブドウ品種では唯一の国際品種です。

サンジョヴェーゼを原料とするワインは、トスカーナ州を中心に数多く造られており、キアンティとキアンティ・クラッシコだけでなく、ブルネッロ・ディ・モンタルチーノ(Brunello di Montalcino)や、ヴィーノ・ノービレ・ディ・モンテプルチアーノ(Vino Nobile di Montepulciano)など高名なワインもその中の一つに挙げられます。

栽培土壌の選り好みの少ないサンジョヴェーゼは、その地のテロワールを多彩に表現するのも特徴。
同じサンジョヴェーゼを使ったワインでも、味わいやスタイルは産地や栽培方法によって様々です。

様々な表情を持つサンジョヴェーゼですが、その代表的なキアンティ、キアンティ・クラッシコを飲んで、もう一度その素晴らしさを体感して頂きたいです。

キアンティ・クラッシコというワイン

全てのキアンティ・クラッシコには黒い雄鶏(ガッロ・ネーロ)の独自のシンボルが刻まれており、現在、キアンティ・クラッシコ協会はおよそ580の生産者によって成り立っています。

フィレンツェとシエナの間に広がるキアンティ・クラッシコエリアでブドウ栽培から瓶詰めまでのすべての工程を行うのが規則で、サンジョヴェーゼの80%以上の使用が条件とされていますが、国際品種を含むその他黒ブドウの20%以下の使用も認められています。

2014年、キアンティ・クラッシコの新たな規格として「グラン・セレツィオーネ(Gran Selezione)」を制定されました。

自社畑のブドウのみの使用や、最低30ヶ月以上の熟成、更には厳しい感応検査が規定されており、この背景には、キアンティ・クラッシコの新たなステップへの挑戦が窺えます。

長い歴史のあるキアンティ・クラッシコですが、グラン・セレツィオーネの制定により、イタリアワインにおける新たな立ち位置を模索しており、その更なる発展から目が離せません。

トスカーナの魂とも言われるキアンティ。
イタリアワインの入り口として、是非お試しください。