「イタリアのロマネ・コンティ」との讃辞される
1632年に創立。自社ブランドでリリースするのは、収穫されたブドウのうちわずか10~20%程度という厳しさ。
残りのほとんどは他の生産者へ売ってしまうし、いい年でなければ造られないことも。比類のない個性を持つ、入手困難なイタリアワイン。
かつて塚原正章は、『料理王国』(1996年6月号)に寄せた記事のなかで、エドアルド・ヴァレンティーニのワインについて、イタリアを代表する「黄金の七人」(ゴールデン・セブン)が造るもっともイタリア的な作品のひとつとして、最大限の敬意を表しつつ、紹介したことがあります。
赤ワインのモンテプルチアーノ・ダブルッツォについては、「広大な畑から選び抜いたモンテプルチャーノ種のブドウから造る、おそらくはイタリア随一の赤。神韻縹渺(しんいんひょうびょう)とした味わいは、まさに神技」、白ワインのトレッビアーノ・ダブルッツォについては、「アブルッツォの圧巻。収量の抑制と自然な造りが、人為的な飾りのない、深い内面性の白をうむ」とまで絶賛いたしましたが、私たちの考え方は今でも変わりありません。
ヴァレンティーニこそ、私たちの長いワイン探索の旅程で、「偉大な造り手が偉大なワインを生む」ということを最初に教えてくれた、貴重な存在でした。
残念ながら、エドアルド・ヴァレンティーニ氏は2006年に亡くなりましたが、家業は長男夫婦によって立派に引き継がれています。
現在47歳のフランチェスコが、ワインの仕事に手を染めたのは、20歳のとき。
つまり、父エドアルドと26年間、畑とセラーで共同作業にいそしんでいたことになる。ということは、世に出ているヴァレンティーニの大半のワインは、親子の共作品であるといっても過言ではないのだ。
エドアルドが亡くなって、世代交代を強いられた形ではあるが、さまざまなやり方でエドアルド流は健在である。
昔ながらの方法で、自然な農法を心がけているため、畑では一度も除草剤や防虫剤を用いていない。
科学的なもの、合成されたものは畑でもカンティーナでも使わない。ブドウは他の植物(オリーブ、小麦、他の穀物、かいば)とともに栽培し、動物を育て、それらの動物由来の堆肥を肥料として用いている。
発酵は、培養酵母を添加せずに自発的に始まる。
また、環境と調和する真に自然な農業を現実には実行していない人も参加している表面的なものである、との考えから、ビオロジックの認証を信じていない。
