イタリア史を支え続けた「ワインという文化」。

皆様、こんばんは。
姉妹店レストラン、ヴィノテカサクラの荒井です。

本日も社内イベントのご報告です。

今回はイタリアワインの王様バローロの老舗、ボルゴーニョ(Borgogno)社。

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その歴史は260年前(1761年)まで遡り、
バルトロメオ・ボルゴーニョがワイナリーを発足させたことに始まります。

当時、ワイナリーは小規模ながらその品質の高さは大変評判の良いものだったそうです。

 

少し余談ですが。

ローマの歴史を辿ると、それはそれは果てしなく長い歴史のあるイタリアという国。

しかし、私たちの良く知る今日のイタリアの統一は1861年。
つい160年前までは複数の王国に分裂した全く別の国家でした。

統一後も、第二次世界大戦の敗戦と共に君主制(イタリア王国)から共和制(イタリア共和国)へと政治体制が変わり、
近世のイタリアの歴史は目まぐるしく変貌を遂げてきました。

 

そんな中、やはり普遍的な文化、財産としてワインは常にイタリアの土地に住む人々の生活を華やかに彩ってきたのだと思います。
そして、今日に至るまで多くのワイナリーがイタリアの歴史が変わる瞬間を目前にしてきました。

 

ボルゴーニョ社もそのひとつです。

 

1861年、イタリア初代国王のヴィットリオ・エマヌエーレ2世や、
イタリア統一の立役者であったジュゼッペ・ガリバルディなどが出席したイタリア統一の祝賀会。
ここではボルゴーニョ社のバローロで祝杯があげられたそうです。

バローロ

 

イタリアワインの中でも歴史ある偉大な生産者の比較試飲。

今回も胸が躍ります。

 

試飲は全8種。

近年その品質が認知され、現在イタリアの白葡萄品種の中で話題性の1、2を争うティモラッソ種から始まり、
ドルチェット種、バルベーラ種、ネッビオーロ種と、伝統的なピエモンテ州の土着品種4種を飲み進めていきます。

イタリアワインの魅力としてあげられることの多い土着品種の多様性を、
同じ生産者の比較試飲を通じて、より明確に実感することができました。

 

いよいよバローロのクリュ(区画)別の比較試飲に進みます。

改めてクリュの地理的特徴の説明を輸入元様より伺いつつの飲み比べ。
大変勉強になります。

今回比較させて頂いたのは、全てのクリュから葡萄を収穫し作り上げるバローロ・クラッシコ、
そして単一畑、フォッサッティ(Fossati)、リステ(Liste)、カンヌビ(Cannubi)の三つ。

それぞれに全く異なる個性と魅力があり、
テロワール(地理、地勢、気候による生育地の特徴)という言葉がしっくりと体験できる貴重な経験でした。

 

四者四様でしたが、今回特にご紹介せて頂きたいのがカンヌビ。

バローロ カンヌビ

カンヌビは、最も著名で評価の高いバローロのクリュで、
およそ300年前の歴史的文献にもその偉大なカンヌビの畑についての記述が見つかっています。

世界で最もワイン用葡萄の栽培に適した場所の一つと言われており、
バローロ地区の中でも、最もエレガントで長期熟成能力の高い、特別な個性を持ったワインが生まれます。

 

数多くあるイタリアワインですが、イタリアの歴史に寄り添い、共に歩いてきた「ワインという文化」だからこそ、
歴史のある生産者を知る事で得られる、新たな魅力があるのかもしれません。

 

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ヴィノテカサクラでも早速納品。

ゆっくりと時間をかけて熟成していくバローロ。楽しみです。

 

 

ではまた、チャオチャオ。

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