家庭でも簡単にできる、ワインの色々な保存方法

数あるお酒の中でもとりわけデリケートなお酒であるワイン。

もっと熟成させて飲み頃を待ちたい。
お祝いでワインを頂いたけど、もったいなくてすぐに飲みたくない。
開けたワインが残ってしまった。

ここではそんな色々なワインの「保存」に関してご説明いたします。

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ワインの保存といっても、色々なシチュエーションがありますよね。
その中でも、ありがちな3つに絞り込んでみました。

1.数年単位で熟成させてから飲みたい。(1~2年以上)
2.ワインをもらったけど、年末に飲みたい(1年以内)
3.ワインを開けちゃったけど、今日飲みきれない(5日~7日程度)

まずは「ワインを開ける前」の1,2を見ていきましょう。

ワインの保存で重要な事は3点。
温度と湿度、そして光です。

温度:12℃~15℃
湿度:70%~80%
そして光はなく、暗い方が良いです。

この中で最も重要なことは温度です。
温度の高低によってワインが被る影響は

・低温状態では熟成が進まない。
・高すぎると化学反応を助長して品質劣化のリスクが高くなる。

という事から、品質に直結する温度はワインを保存する点において、最も重要な最優先事項です。

次に湿度。
湿度は「正常なコルクの状態を保つため」に必要です。
コルクには僅かながら透過性があり、少しずつ空気が入り込む事で酸化を促し、ゆっくりとワインが熟成していきます。
しかしコルクが乾燥してしまうとコルク自体が収縮してしまい、空気の透過量が大きくなって多大な酸化状態を招いてしまいます。
コルクにとっては湿度が高いに越したことはありませんが、あまり高すぎるとラベルにカビが生えてきてしまうので、適切な湿度に調整するかラベルにラップを巻いておきましょう。

ちなみに湿度が高いとコルク上部にもカビが生えてきますが、これは問題ありません。
「カビはワイン健康のバロメーター」
と呼ばれ、むしろカビが生えている事で健全な状態で保管されていたことが窺えます。
(万が一カビがコルクの内側についている場合は、品質に問題があると思って良いと思います。)

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そして光でもワインは劣化を起こします。
直射日光はもとより、蛍光灯など人口の光もできるだけ避けましょう。

他にも振動にも気を付けるべきですが、ここでは3つのポイントに絞ります。


【具体的な保存方法】

①数年単位で熟成させてから飲みたい場合。

これはもうワインセラーが必要です。
ワインセラーはワインの温度や湿度を適切に保ってくれる、専用の冷蔵庫です。
価格帯やメーカーによって性能の差異がありますので、予算などでも選択肢が変わると思います。
ワインセラーに関してはまた別の記事で書かせて頂きたいと思いますが、ひとつポイントを上げるのであれば、「できる限り大きいワインセラーを買う事」です。

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ワインセラーを買うほどワインにハマっている方は、熟成させたいワインがいっぱい出てきてしまうはず。
そこで初めて買うから・・・と小さいセラーを買ってしまうと、あっという間にいっぱいになってしまい、通常時に飲むワインの保管ができないなどの不都合が生じます。

ミニマムは6本からですが、できれば24本以上を収納できるワインセラーが欲しいところ。
最近では貸倉庫などでもワインお預かりサービスがありますので、そういったところを探すのも一つの手段です。

弊社でもお預かりする事ができますので、ご興味がございましたらお問合せ下さい。


②ワインをもらったけど、記念日などまで取っておきたい場合。

こういうパターンも多いのではないでしょうか。
普段もワインは飲むけど、セラーは持っていないという方もそうですね。
1年以内くらいを想定してますが、やはりこの場合は夏季期間の高い気温が大敵。
この際湿度は無視して良いと思いますので、できるだけ気温が低めの所に安置しておくことがベスト。

・冷蔵庫(野菜室)
・クーラーの効いた部屋の押し入れなどに安置する。
・大きめの保冷剤を入れた発泡スチロール製などの保冷箱

誰でも普通にできそうなのはこの辺りでしょうか。
この中で一番状態として良さそうなのは、3番目の保冷剤&発泡スチロール箱。
保冷剤を交換する手間さえ惜しまなければ、この方法が程よい温度と湿度を保てます。

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冷蔵庫はやや冷えすぎなのと、開閉が多いので振動などが気になるところ。
クーラーを効かせた部屋は簡単ですが、ちょっと電気代がかさみそうですね。

いずれも100%コンディションに良い保管ではないですが、3ヶ月程度の簡易的保存と考えれば神経質にならなくても良いと思います。


③ワインを開けちゃったけど飲みきれない。

これはお客様から多く質問を頂く内容です。
抜栓して飲みきれなかった場合はどうしたらよいでしょうか。

「飲みきらないとすぐに悪くなる」と勘違いされている方も多いですが、決してそんなことはありません。
ワインを開けると酸化が進んだり、アルコールが飛んだりと様々な作用がありますが、むしろ抜栓後2~3日してからの方が美味しいという事もよくあります。

ワインの品質にもよるので一概には言えませんが、基本的に2~3日は普通に美味しく飲めると思って頂いて大丈夫です。
その辺りについて過去ブログで少し触れていますので、よろしければ読んでみてください。

「ワインは開けたらすぐに飲んだ方がいい?」

ワインは開けたらすぐ飲んだ方がいい?

さて、その間の保存方法にもいくつか選択肢があります。

・抜いたコルクを刺しなおす。
・「空気を抜く」「窒素ガス注入」などのワイングッズを使う。
・シリコンゴム製などの密閉する蓋を使う。
・小さな瓶(容器)に入れ直す。

個人的なオススメは「コルクを刺しなおす」「シリコンゴム製などの密閉する蓋を使う」です。
一番大きな理由は簡単だからです。
もちろんワインの酸化はありますが、4~5日だったらそこまで気にならないと思います。

酸化を最小限にするためにワイングッズで空気を抜いたり、窒素ガスなどで蓋をする方法は飲食店などでは一般的ですが、個人宅で1週間以内に楽しむ分にはそこまで気にしなくてもいいと思います。
酸化をなるだけ防ぎたい方にはおすすめ。

ワイングッズ

バキュバン

¥1,848 (税込)

小さな容器に入れ直すのは、瓶内の空気を少なくさせることで酸化を遅らせるという事です。
瓶内いっぱい液体が満ちているほどに効果がありますが、適切な大きさの瓶を用意する事と、移し替える作業が面倒かと思います。

「美味しくなくなってしまったら料理酒にしちゃおう」くらいの気持ちで気軽に考えておいて、酸化による変化を楽しむ方がより豊かなワインライフを楽しめると思いますよ!

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また保存とは少し話が違いますが、Bag in Boxと呼ばれるスタイルの箱ワインは、出したワインの分だけ真空する仕組みになっていますので、日頃ワインを飲まれる方で酸化が気になる方は箱ワインを試してもいいかもしれません。
最近のBag in Boxは侮れない品質の物が増えてますよ。


【ワイン保存のポイントまとめ】

長期熟成ならワインセラー必須!

1年以内の短期保存なら温度に注意!

開けたワインはあまり気にせず、酸化による変化を楽しむ!

色々なシチュエーションやワイン自体の品質によるところも多いので、一概にも今回ご紹介した内容が全て正しいという訳ではありませんが、ポイントを押さえておけば大失敗という事は無いはず!

ワインについて分からない事や不安な点があれば、どうぞお気軽にお問い合わせくださいね。

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