ガリオッポに海に近い果実感とミネラルを含むマリオッコを8ブレンドして2日ほどの短いマセレーション。
それでも品種特有の強いタンニンと酸にしなやかさを出すために、24カ月ステンタンクで熟成させます。
一朝一夕にはいかないのがガリオッポですね。
チロに比べ、やや色鮮やかさを残し、酸味が充実した柔らかな口当たりのタンニン。少しスリム感があるものの、しっかりとした骨格はやはり彼のチロと同じ血統を感じさせます。
若いうちはなかなか太刀打ちできないチロの要素が時間をかけて発揮する能力でした)うまく研磨され、綺麗なスタイルになったように思えます。
遥か遠いその昔、ギリシア人がこの地にコロニーを形成するために入植した時から栽培が始まり、イタリアの中ではどの地域よりも真っ先に葡萄の栽培が行われたとも言われています。
その当時からこの大地はEnotoria(実り多き大地)と呼ばれ、この言葉がイタリア各地へ伝播し現在ではワイン生産地の多くがエノトリア(ラツィオ州やトスカーナ州)と呼ばれるようになりました。
当時はワインを畑に隣接するカンティーナから港に運ぶため、テラコッタ製の管を用いて港に停泊する船上まで 流し込んでいたと史実には残っています(酸化しなかったのでしょうか?)。
この街は建築史的にも古く、ギリシア時代の競技場、小劇場なども 数多く残り、オラアーエなどとの交易に用いられた鋳造貨幣は今でも 出土するほど人種、文化、言語の交わる一大交易の地でもありました。
チロは「空と大地の果て」とも言われ、特にチロが位置するアーリチェ岬からプーリア州にも面するターラント湾を望む光景は、イオニア海へ通じるまさに果てしない地平線となり、より神秘的で叙情的な表情があります。
チロが位置するターラント湾西部は穏やかな風と波に包まれ、山海と町全体が調和した魅力的な 「大地の果て」に他なりません。
葡萄品種は主にガリオッポ(モントーニコ・ネーロとも言われる)が多く栽培されます。
チロ・ロッソ(赤)では13.5%以上のアルコール度且つ、3年以上熟成 したものがリゼルヴァ表記できる。
これまでは葡移のみを大手に販売していた農家などが少しずつ、 個人でも醸造までするようにはなりました。その中では革新的な行動を起こしたL社が有名ですね。そこに新たな新星が出現です。
ワインの ベクトルはL社やこの地域の生産者と対極的方向にあるのかもしれません。 チロの常識を(一般概念を)覆し、抜群のチロを生み出す若き フランチェスコ・デ・フランコがその人物。
彼の言葉やしぐさは非常に 謙遜的ですが、葡萄やワインのことになれば別人のように思えます。
もとは建築の勉強をしていたのですが、やはりワインへの情熱と大好きなガリオッポがこのままのワイン(一般的に平凡な存在)で終わってしまってはいけないとも考え、醸造の道を歩みことを決意。
まずはヴェネト州のプロセッコで有名な地、コネリアーノの大学で醸造を学びました。
そして同じ情熱をもつラウラと共に始め、ワインに関わる全てを自分たちの責任で行わねばならないと考えています。
他人が栽培したブドウを醸造しても、それは、自分たちの理屈に合わないものだと考えました。そこで、この地と葡萄の姿、哲学を前面に押し出すべく、カンティーナ‘A Vitaを始めたのです。
(輸入元資料より引用)
rosso carablia / A Vita