ワイン名は畑の名前から。10月下旬に手摘みした樹齢50年のアリアニコを使用。
開放式円錐型の樽で、温度管理をせずに野生酵母15日間マセラシオン。ステンレスタンクで12ヶ月熟成後にノンフィルター、無清澄で瓶詰め。So2無添加。
フレッシュでトーンが高く酸味を感じる赤い果実、甘いスパイス、ローズマリーやバジル等のハーブ感。土のような印象も有りますが、時間の経過と共にビターチョコを連想させる変化をしていきます。
はっきりとした伸びのある上質な酸味があり、しなやかながら旨味エキスがじゅわっと広がる芳醇な果実感。どんどんとまろやかに穏やかで引っ掛かりの無い味わいになります。
【生産者紹介】カンリーベロ
カンパーニャ州べネヴェント県のブドウ農家出身のエンニオ・ロマーノは、グラフィックデザインを仕事としていました。
ワインとは違うビジネスをしていましたが、ナチュラルなワインに出会い、そのおいしさに引き込まれていき、2011年に奥さんのメナと共に自身の故郷の畑でワイン造りを行う事になります。
べネヴェント県のトッレクーゾという標高430mにある小さな村に僅か2ヘクタールのブドウ畑とセラーを所有しています。
村の中のトッルンピーゾと呼ばれる場所に樹齢50年の樹が植えられた畑があり、石灰質を多く含む粘土質土壌で構成されています。
栽培品種はアリアニコ、ファランギーナ、フィアーノ、トレッビアーノがあり、それぞれ違った個性を持つワインを醸造しています。
彼らのワイン造りの考えは、地域とそのブドウ畑の特性を発見し、その特性をワインに最も反映させる方法を第一に優先させる事です。畑での仕事は無農薬栽培で行われ、緑肥等を使用し、徐々にビオディナミに変換しています。
醸造工程では野生酵母による自然な発酵を行い、その年の恵みとブドウ自身のポテンシャルにのみ頼ると言います。醸造中に一切のSo2の添加、フィルタリング、清澄作業、温度管理も行わずにまさにブドウのみでワインを造り上げています。
最初にボトル詰めされたヴィンテージは2012ですが、彼の現在のワインからはすでに「自然にやりきった」ワイン特有の推進力と清々しい雰囲気をはっきりと感じます。
カンリ-ベロのすごいところは、まだワイナリーができて間もなく、エノロゴの介入もない中で一切の迷いもなくこのようなワイン造りをしている事です。毎年収穫や醸造中などに変化を感じており、これから年を追うごとにまだまだ良いワインが生まれるとエンニオは確信しているようです。
これからがとても楽しみですし、その伸びしろは図りしれません。無名生産者とは思えない個性とインパクトのある味わいに必ず驚いて頂けると思います。
ラベルの犬は初めての収穫の時に亡くなった愛犬をモデルにされています。大切にしていた犬を思う気持ちから大犬座と共にラベルを捧げたそうです。
iastemma / canlibero