ワイン販売関係の仕事をしていた「フレンチェスコ・チ レッリ」。
徐々にワイン造りの欲求を抑えられなくなり、 1 人で全てできる規模の農園を探し始める。
最終的に自分の地元でもあるアブルッツォのアトリの 山奥の土地を購入。森林を伐採し、開墾。葡萄の植 樹から始めることとなる。
『自然の一部としての農業をやりたかった。葡萄を造 る為には森、オリーヴ、他の野菜。そして動物が必 要。それが実現できる場所を見つけた』
「フランチェスコ」は葡萄畑以外にオリーヴの樹とアン ズの樹、イチジクを栽培。更にスペルト小麦、にんにく も栽培している。 そして敷地内にはガチョウを放し飼いにしていて、彼 等の糞が自然と肥料になっていく。
『肥料は使わない。近所の家畜やガチョウの糞。落ち たオリーヴやイチジク、そして自然と生える下草が時 間をかけて腐り土に帰っていくだけ』
優れた葡萄を栽培したいのではなく、土地そのものを 表現する葡萄を収穫することを目的としているので 極端な収量制限なども行わない。
『葡萄は地上の植物で最も生命力が強いと言われ る。だから土地そのものを表現できる』
彼の目指すワインは日常のワイン。醸造だけでなく、 栽培もできる限り自然の中で行われていく。
『IMC の認可を受けて全ての所有地はビオロジック が採用されている。それより重要なのは葡萄が他の 植物や動物と共存すること』
フレッシュさとクリスピーさを残すため、早摘みの葡萄を使用。収穫後、除梗し優しくプレス。果汁はステンレスタンクに移され、1次発酵が開始される。その後、低温保存していた果汁を投入し、自発的に2次発酵を促す。数カ月後にボトリング。ノンフィルター。シャルマ方式。
Frizzante rose / Cirelli