カンノナウ主体、様々な葡萄のブレンド
相も変わらず、名前の由来を説明するのが非常に難しいので、ジャンフランコから来たメールの訳をそのまま載せますね。
“ヒサトも知っての通り、ここ数年近隣の農家を、俺が理想としているような農法-特に農薬散布の質(硫黄)とその回数(1~2回)-を実践するよう仕向けているのだけど、2017年に彼らのブドウを使ってAXINA ‘e ‘IXINAU(アジネジナウ)というワインを、そして自分のところのブドウでShugusucci(シュグスッチ)というワインを造ることにしたんだ。
これらの名前の音の響きからも、地理的に全く違った環境に“旅をしている”かのような気になってもらう事も意識してみたんだ。
これらのワインが生まれる端緒となったのは、俺がワインを通して常々主張してきた、(ワインの)最重要構成要素とは、“ヒトのエネルギー(魂)”に他ならず、土壌、ブドウ品種、農法などの実際的、技術的、物質的な側面は、たとえそれらに多大なる重要性があるのだとしても、それに続くものでしかないという事を、明瞭な形…とは言っても、毎ヴィンテージごとに違った天候条件やブドウのブレンド比率だったりするから、実質的に確認する術もなく、あくまでも非物質的な形にはなるのだけど…で明らかにしたいと考えたからなんだ。
今回リリースする2つのワイン、使用されているブドウ品種、ヴィンテージ、土壌、使用する農薬も散布する回数等もほぼ同条件なのにもかかわらず、東洋と西洋くらい異なるエネルギーと精神性を持ち合わせていると思うんだ。
標高450mから700mまで、土壌も火山岩質から粘土-片岩質と様々な特性の、5つの区画に合計3ヘクタールの畑を持ち、サルデーニャの土着品種を栽培する(カンノナウ、ムリステッル、カニュラーリ、カリニャーノ、モニカ、モレットゥ、ジロ、モスカート、マルヴァジーア、ヴェルメンティーノ、セミダーノ、ヌラーグス)。
樹齢も品種、区画によっては100年を超えるものも。年生産量7500-9000リットル。
大地、人、その他の生命に対して最大限の敬意を払うべく、畑では一切の施肥を行わず、畑に自生する草を鋤き込むことで緑肥として利用しているほか、ボルドー液さえも使用せず、細かい粉末状の土と硫黄を混ぜたものを農薬代わりに6月に1度(年、畑によっては一度も撒かない)する以外には一切何も畑には散布しない。ワイナリーでも、醸造からボトリングまでの全ての工程で一切の薬剤を使用しない。
ワイン生産以外に、パン屋も生業としており、地元の無農薬の粉を使い、代々受け継いできた自然発酵種(小麦粉が勝手に醗酵したもの、とでも言えば良いのでしょうか)をもとにを、薪釜でパンを焼いている。ブドウ以外にもオリーヴ、野菜、フルーツ、穀物を栽培し、それらは彼が経営するアグリトゥリズモで供される。
Vini Naturali(ナチュラル ワイン)という言葉に対して、”そもそもワインとはブドウだけで造る、極めてナチュラルなものなわけで、ワインにナチュラルななどという形容詞を付ける事自体が間違っている”と言い放つジャンフランコが考え出した、ナチュラルワインでも、ビオワインでも、自然派ワインでも、有機ワインでもない言葉、それがVini Liberi(自由な、何の束縛もない、ブドウ以外の何物も使用しないワイン)。
(輸入元資料より)
SHUGUSUCCI / pane vino