ファンティーニ グループを訪れたヒュー ジョンソンの「イタリアには700を超える土着品種があるのに、何故それで偉大なワインを造らないんだ!?」という一言から生まれました。
エディツイオーネは「(書籍などの)版」、チンクエ アウトークトニは「5種類の土着の葡萄品種」の意味です。標高500mの40年樹齢のアブルッツォの畑から、樹齢が120年近いプーリアのサーヴァ村にある畑に至るまで、ユニークで、樹齢が古く、高品質の葡萄が出来る畑を選びました。
契約する畑は30,000haありますが、エディツイオーネのために選ばれた畑は僅か7haでした。
プーリアは鉄分を多く含んだ赤い砂質土壌で、フィロキセラの影響を受けにくいため古い樹が残っています。
プリミティーヴォは、生った実を2~3ヶ月樹の上で乾燥させています。5種類の葡萄は別々に醸造、熟成させます。丁寧に除梗します。
発酵とマセラシオンは25日間、ステンレスタンクで行います。マロラクティック発酵はセガン モローのバリックの新樽(アメリカンオーク60%、フレンチオーク40%)で行い、12ヶ月熟成後さらに12ヶ月瓶熟。
サクランボやプラム、熟したブラックカラントの香り、タバコ、香ばしいトーストの香り。
ベルベットのように滑らかなタンニン、バニラとチョコレートのスパイシーな風味があります。2州の葡萄を使っているため公式にはヴィンテージ表示は出来ず、代わりにエディションナンバーを付けています。
【生産者紹介】ファンティーニ(ファルネーゼ)
イタリアワインの評価本「ルカ マローニ」でこれまでに9度トップ生産者に選出!
南イタリアで成功を収めた実力派生産者「ファルネーゼ」。
3人の情熱からスタートしたワイナリー
ファンティーニ(当時はファルネーゼ)創立者のひとりカミッロ・デ・ユリウスは、若くしてイギリスに渡り3軒のレストランを経営、ワインの輸入もしていました。
イギリスで成功を収めたカミッロですが、「いつかアブルッツォへ戻り、生まれ故郷に貢献できたら」という思いを常に持っていました。
そして1994年、ついにアブルッツォに帰郷しました。
同じ頃、ヴァレンティーノ・ショッティとフィリッポ・バッカラーロはアブルッツォのワイナリーで働いていましたが、もっとハイレベルのワインを造りたいと考えていました。
そして、情熱を持った3人が出会い、ファンティーニを設立しました。
「設立当初はお金もなく、エントリーレベルのワインしか造れませんでした。しかし、いいワインを造りたいという情熱だけはありました」とヴァレンティーノは語ります。その頃、世界的に著名なワイン評論家のロバート・パーカーJr.が彼らのワインを飲んで感激し、「車に積めるだけ買いたい」という記事を書いたことで、ワイナリーの名が少しずつ知られるようになりました。
そのワインが、エントリーレベルのモンテプルチャーノ・ダブルッツォでした。
「エディツィオーネ」の誕生、そしてイタリア最優秀生産者へ
ファルネーゼがエントリーレベルのワインしか造っていなかった1995年、イギリスの有名なワイン評論家ヒュー・ジョンソンからのアドバイスで「土着品種を使って造るイタリア最高のワイン」の生産に乗り出します。
4年の月日をかけて最高の畑をリサーチし、何度も試行錯誤を重ねた結果、ついに2001年の6月に最初のブレンドが出来ました。
それが、いまやワイナリーのフラッグシップワインとなった「エディツィオーネ」でした。
その後「エディツィオーネ」がシドニーのワインコンペティションでベストワインに選ばれたことで、世界中からオファーが殺到し、ワイナリーの名が世界に知られるようになりました。
そして遂に、「ルカ・マローニ ベストワイン年鑑2005」でイタリア最優秀生産者に選出されるという快挙を達成しました。
ファルネーゼから「ファンティーニ」へ、再スタートを切る
1994年の設立から僅か10年足らずの短期間でイタリアのトップ生産者の地位を築いたファンティーニは、その後も意欲的な投資を繰り返し、南イタリア各地から様々なワインを世に放ち、国際的な評価を確立しました。
特に、イタリアワインの評価本「ルカ・マローニ ベストワイン年鑑」においては、これまで年間最優秀生産者に9度も選出されています。
2022年は「フランクフルト・インターナショナル・ワイン・トロフィー」や「ムンドゥス・ヴィーニ」といった国際的なコンペティションでも『BEST ITALIAN PRODUCER』に選出されており、これまで以上に国際的にも高い評価を得ています。
また、ここ数年の間にトスカーナやサルデーニャでもワイン造りをスタートし、現在7つの州でワイン造りを行う、南イタリアで最も成功したワイン生産者となりました。
さらに「ファルネーゼ」から「ファンティーニ グループ」へと名称を変更し、さらなる躍進を図っています。
素晴しい畑を持つ小規模農家と密接な関係を築いているからこそ実現できる、高品質なワイン
多くの生産者は広い畑を購入して、自分達で畑を管理し、ワイン造りを行うことが良いワインを造るための方法だと考えます。
しかし、ファンティーニは他とは違ったやり方を選択し、高い品質を実現しています。
自社で広大な畑を購入するかわりに、素晴らしい畑を持つ小さな栽培農家と契約し、彼らが先祖代々受け継いでいる畑で葡萄を栽培してもらいます。
「ワインを造るためには、素晴しい畑や葡萄は最も重要です。栽培農家の知恵や経験は、まさにファンティーニが必要としているものであり、葡萄栽培は畑を良く知る人達に任せることで品質の高い葡萄を得ることが可能なのです」とヴァレンティーノ ショッティは語ります。
そして、量ではなく、区画に対して満足のいく賃金を払い、高い品質の葡萄を育ててもらいます。
ワインの品質を支える、素晴しい才能を持つ醸造家たち
「素晴らしいワインを造るために最も重要なことは、素晴らしい葡萄があることです。
しかし、それだけでは十分ではありません。
素晴らしい葡萄を素晴らしいワインにするには、葡萄の収穫からできるだけ時間をかけずに醸造を始め、葡萄が適切に扱われるがことが大切です。
そのためには、素晴らしい醸造家たちのチームが必要なのです」とヴァレンティーノは語ります。
通常では、大きな醸造所であっても、1名か2名、多くても3名ほどの醸造家しかいないことが多いのですが、ファンティーニ グループでは総勢13名の醸造家でワイン造りを行っています。各ワイナリーには専任のワイメーカーがおり、すべての工程を常に細かく管理しています。
そして、ワイナリーの創設者の一人フィリッポ・バッカラーロと世界的に活躍しているアルベルト・アントニーニの2人がスーパーバイザーとして全体を統括しています。
ファンティーニ・グループは、規模で言えば大きなワイナリーのうちに入るかもしれませんが、ワイン造りに対してはブティック ワイナリーと同等の力を注いでいると言えます。
辛口評価で知られる「ルカ マローニ ベストワイン年鑑」にて2005、2006、2007年度版と3年連続、また2012、2013、2015、2016、2017、2019年度版でも、2,500以上の生産者の中からイタリアのナンバーワンに選ばれています
edizione / Farnese