スタンダードラインの名称であるムーリは、畑を区切り、樹を風から守るために地表の石で作る石壁を指します。
また、その壁の隙間にヤモリが巣を作ることから、ラベルにデザインしています。
収穫量を制限して質を高めた葡萄を収穫し、除梗して柔らかく破砕します。
温度を10度に保ち、10~12日間、定期的にルモンタージュしながら醸しをします。
20度に温度管理して発酵させます。8~10日間マセラシオン、ステンレスタンクに移し、マロラクティック発酵。
4~5ヶ月樽熟成させ、ブレンドして瓶詰めします。
樽は2回使用樽で、ヴィンテージによってフレンチオーク、アメリカンオークを使い分けます。
ネグロアマーロはタンニンがしっかりしているため、樽熟成させ柔らかくします。
紫がかったルビーレッド。カシスやブラックベリーなど黒い皮の果実の強い香りが広がります。
しっかりとしたタンニンがありますが、口当たりはベルベットのようにしなやかでとてもバランスがとれています。豊かな風味は長い余韻まで続きます。
【生産者紹介】ヴィニエティ・デル・サレント(ファルネーゼ)
愛情が込められた、契約農家の葡萄とプーリアの気候が生み出す自然のアパッシメントを生かしたワイン造り
鉄分を含んだ赤土、痩せた土壌と寒暖差のある気候
ヴィニエティ デル サレントは、プーリア州マンドゥーリアでファンティーニ グループが経営するワイナリーです。2012年に設立されました。マンドゥーリアは、最高のプリミティーヴォが栽培されることで知られています。このエリアの特徴は、他のエリアとは違って葡萄畑は平地にあり、土は赤土、樹齢の古い樹が沢山あることです。
畑の土は赤色をしていますが、これは鉄分を多く含んでいるためです。
平坦な土地で、周りに湖はなく、山もないため雪解け水が畑にもたらされることもありません。
また、下層土は石がたくさん詰まっていて、土地は痩せています。
そのため、葡萄は地中に水分や栄養分を求め深く根を張ります。
日中は大変暑く、6月から収穫の時期までの3ヶ月は40度にもなります。
しかし、夜は北東のアドリア海から南のイオニア海に向けて冷たい風が畑の中を吹き抜け、昼夜の寒暖差がもたらされます。
畑で、自然に、しかも短期間でアパッシメントの効果が得られる
コストパフォーマンスの高いワインが造り出される理由がここにあります
プーリア州のサレントのもうひとつの特徴が非常に乾燥した気候です。葡萄は、実がしっかりと熟すまでは地中から水分を吸い上げ、実に供給しますが、熟した後は水分の供給を止めるため、自然に葡萄の水分が失われていきます。葡萄から水分が抜けていく仕組みはヴェネトで造られているアマローネと同じですが、アマローネの場合は葡萄を収穫し、温度コントロールした特別なセラーで乾燥させるという複雑な過程をとらなければなりません。
また乾燥にかける期間も3~4ヶ月必要です。
ですが、ここでは、畑で自然に、しかも約2週間という短期間で同じ効果が得られるのです。
畑は風通しが良く乾燥しているため、葡萄を腐らせる病気やカビ菌の心配も不要です。
アマローネの場合は、実と実が箱の中で密着しているため、湿度のコントロールが難しいのです。
アマローネと比べると、質の高い葡萄が低コスト、低リスクで得られるため、コストパフォーマンスの高いワインを造ることが可能なのです。
広大な自社畑は必要ありません
農家が造る葡萄には最大の愛情が込められています
ヴィニエティ・デル・サレントは古い葡萄の樹を持っている栽培農家と長期に渡る契約を結び、その栽培農家に大切に葡萄を育ててもらっています。
そのため、広大な自家畑は必要ありません。
広大な自家畑を持つ場合、アフリカや東ヨーロッパからの季節労働者に畑の仕事を任せざるを得ないですが、今まで一度も葡萄を育てたこともない人々に、一から葡萄栽培の仕方を教え、完璧に習得させることはたいへん難しいことです。
葡萄を育てるのに最もふさわしい人々に畑を任せるのが一番だと考えています。
nero d!vora / zabu