一般にロッソ トスカーナはタンニンが青っぽく、酸が強いものが多いのですが、このワインは1週間程収穫時期を遅らせ、葡萄をしっかり成熟させることで、果実味の集約したワインにしています。除梗、破砕した後、果皮と共にステンレスタンクで、1~2週間発酵させます。輝きのあるルビーレッド、赤のフルーツや野生のベリーを思わせるフレッシュなアロマが広がります。フレッシュな口当たりで程よいボディがあり、スムーズなタンニンが心地良く感じられます。ヴィンテージ表示はしていません。
【生産者紹介】テヌーテ・ロセッティ(ファルネーゼ)
ルカ マローニ ベストワイン年鑑で幾度となく最優秀生産者に選出された
ファルネーゼが手掛ける、トスカーナワイン
「ロセッティとファルネーゼ」
テヌーテ・ロセッティは、トスカーナのチェッレート・グイーディにある、10世紀までさかのぼる非常に古い歴史のある生産者です。
昔から質の高いワインを造っていましたが、主にバルクワインの分野で成功をおさめていました。
以前から長い付き合いのあったファルネーゼは、共同でボトルでのワインを造ろうと持ちかけ、一緒にワイン造りを始めることになりました。
ファンティーニのヘッドワインメーカーであるファンティーニのヘッドワインメーカーであるフィリッポ バッカラーロをトスカーナに派遣し、ここでもファルネーゼの哲学を反映させたワイン造りを目指し、栽培や醸造の方法も変えました。
「ファンティーニ スタイルのトスカーナ」
他のトスカーナワインにはしばしばクリーンでない香り、酸化のニュアンスを感じることがありますが、ロセッティのトスカーナはそうではありません。
ファンティーニスタイル、すなわち、熟した果実味にあふれ、クリーンなアロマを持ち、ジューシーで骨格のある味わいのワインです。
このスタイルを出すには、収穫のタイミングが重要で、畑の管理もファルネーゼが指導を行いました。
葡萄はこれまでよりも1週間または10日程遅摘みにしました。
そうすることでもともと高い酸のあるサンジョヴェーゼは若干酸が落ちます。
葡萄はより完熟し、赤い果実を思わせるクリーンなアロマを持ったワインとなります。また、収穫量を減らすことでも葡萄を完熟しやすくさせています。
「ワイナリー」
潤沢な量をストックできるキャパシティを持ち、ワインのフィルタリングやスタビリゼーション(安定化)のためにモダンな設備、機材を使い、年間を通じて常に安定した品質レベルを保っています。高い品質を維持するため、ISO9001、IFS、BRCの認証を取得しています。
3人の情熱からスタートしたワイナリー
ファンティーニ(当時はファルネーゼ)創立者のひとりカミッロ・デ・ユリウスは、若くしてイギリスに渡り3軒のレストランを経営、ワインの輸入もしていました。
イギリスで成功を収めたカミッロですが、「いつかアブルッツォへ戻り、生まれ故郷に貢献できたら」という思いを常に持っていました。
そして1994年、ついにアブルッツォに帰郷しました。
同じ頃、ヴァレンティーノ・ショッティとフィリッポ・バッカラーロはアブルッツォのワイナリーで働いていましたが、もっとハイレベルのワインを造りたいと考えていました。
そして、情熱を持った3人が出会い、ファンティーニを設立しました。
「設立当初はお金もなく、エントリーレベルのワインしか造れませんでした。しかし、いいワインを造りたいという情熱だけはありました」とヴァレンティーノは語ります。その頃、世界的に著名なワイン評論家のロバート・パーカーJr.が彼らのワインを飲んで感激し、「車に積めるだけ買いたい」という記事を書いたことで、ワイナリーの名が少しずつ知られるようになりました。
そのワインが、エントリーレベルのモンテプルチャーノ・ダブルッツォでした。
「エディツィオーネ」の誕生、そしてイタリア最優秀生産者へ
ファルネーゼがエントリーレベルのワインしか造っていなかった1995年、イギリスの有名なワイン評論家ヒュー・ジョンソンからのアドバイスで「土着品種を使って造るイタリア最高のワイン」の生産に乗り出します。
4年の月日をかけて最高の畑をリサーチし、何度も試行錯誤を重ねた結果、ついに2001年の6月に最初のブレンドが出来ました。
それが、いまやワイナリーのフラッグシップワインとなった「エディツィオーネ」でした。
その後「エディツィオーネ」がシドニーのワインコンペティションでベストワインに選ばれたことで、世界中からオファーが殺到し、ワイナリーの名が世界に知られるようになりました。
そして遂に、「ルカ・マローニ ベストワイン年鑑2005」でイタリア最優秀生産者に選出されるという快挙を達成しました。
ファルネーゼから「ファンティーニ」へ、再スタートを切る
1994年の設立から僅か10年足らずの短期間でイタリアのトップ生産者の地位を築いたファンティーニは、その後も意欲的な投資を繰り返し、南イタリア各地から様々なワインを世に放ち、国際的な評価を確立しました。
特に、イタリアワインの評価本「ルカ・マローニ ベストワイン年鑑」においては、これまで年間最優秀生産者に9度も選出されています。
2022年は「フランクフルト・インターナショナル・ワイン・トロフィー」や「ムンドゥス・ヴィーニ」といった国際的なコンペティションでも『BEST ITALIAN PRODUCER』に選出されており、これまで以上に国際的にも高い評価を得ています。
また、ここ数年の間にトスカーナやサルデーニャでもワイン造りをスタートし、現在7つの州でワイン造りを行う、南イタリアで最も成功したワイン生産者となりました。
さらに「ファルネーゼ」から「ファンティーニ グループ」へと名称を変更し、さらなる躍進を図っています。
素晴しい畑を持つ小規模農家と密接な関係を築いているからこそ実現できる、高品質なワイン
多くの生産者は広い畑を購入して、自分達で畑を管理し、ワイン造りを行うことが良いワインを造るための方法だと考えます。
しかし、ファンティーニは他とは違ったやり方を選択し、高い品質を実現しています。
自社で広大な畑を購入するかわりに、素晴らしい畑を持つ小さな栽培農家と契約し、彼らが先祖代々受け継いでいる畑で葡萄を栽培してもらいます。
「ワインを造るためには、素晴しい畑や葡萄は最も重要です。栽培農家の知恵や経験は、まさにファンティーニが必要としているものであり、葡萄栽培は畑を良く知る人達に任せることで品質の高い葡萄を得ることが可能なのです」とヴァレンティーノ ショッティは語ります。
そして、量ではなく、区画に対して満足のいく賃金を払い、高い品質の葡萄を育ててもらいます。
ワインの品質を支える、素晴しい才能を持つ醸造家たち
「素晴らしいワインを造るために最も重要なことは、素晴らしい葡萄があることです。
しかし、それだけでは十分ではありません。
素晴らしい葡萄を素晴らしいワインにするには、葡萄の収穫からできるだけ時間をかけずに醸造を始め、葡萄が適切に扱われるがことが大切です。
そのためには、素晴らしい醸造家たちのチームが必要なのです」とヴァレンティーノは語ります。
通常では、大きな醸造所であっても、1名か2名、多くても3名ほどの醸造家しかいないことが多いのですが、ファンティーニ グループでは総勢13名の醸造家でワイン造りを行っています。各ワイナリーには専任のワイメーカーがおり、すべての工程を常に細かく管理しています。
そして、ワイナリーの創設者の一人フィリッポ・バッカラーロと世界的に活躍しているアルベルト・アントニーニの2人がスーパーバイザーとして全体を統括しています。
ファンティーニ・グループは、規模で言えば大きなワイナリーのうちに入るかもしれませんが、ワイン造りに対してはブティック ワイナリーと同等の力を注いでいると言えます。
辛口評価で知られる「ルカ マローニ ベストワイン年鑑」にて2005、2006、2007年度版と3年連続、また2012、2013、2015、2016、2017、2019年度版でも、2,500以上の生産者の中からイタリアのナンバーワンに選ばれています
sangiovese / Farnese