10月上旬に手摘みで収穫されたグレコを使用。
ステンレスタンクで自然酵母による発酵、細かい澱と共に7ヶ月間熟成。
マセラシオンは行わずにプレス後のジュースのみを使用した彼女たちの最も身近な白ワイン。
海岸付近の塩気とミネラルをスムーズに堪能できます。
白いアプリコット、スイカズラ、ジャスミンの葉を思わせる美しい香り。
繊細な石灰の香りがあり、とても爽やかです。
輝く黄色。
僅かな塩味を感じるミネラル感とフレッシュな酸味、果実味は暖かみのある柔らかな質感でほのかなレモンリキュール感。
【生産者紹介】テヌータ・デル・コンテ
チロに革命をもたらすカラブリアの新星
イタリア カラブリア州 チロ・マリーナ
イタリア本土最南端、豊かな自然とトウガラシに恵まれた未知の魅力を持つカラブリア州。
その中のクロトーネ県チロ・ マリーナにテヌータ・デル・コンテはワイナリーと畑を構えます。
イオニア海沿いにあるこの地は、紀元前7~6世紀に ギリシャの植民地として歴史が始まりました。
重機を使用しない為、伝統的なアルベレッロ仕立てで葡萄は栽培が継続 されており、イオニア海からの海風、恵まれた日照量と温暖な気候により優れた葡萄が育ちます。
当主フランチェスコ・パリッラが1960年に設立した家族経営のこのワイナリーは、現在娘のマリアンジェラが中心になってワインを醸造しています。法学部を卒業した彼女ですが、長い歴史の中でたくさんの侵略に晒されてきた問題多きこの土地において、ワインや葡萄が与える感動に魅せられました。
ワイン造りは自然であった大地を蘇らせる可能性を秘めていると考えるようになったのです。
彼女は何世紀も前に植樹した人々の歴史をも背負い、ワインを造ることに情熱を見出し、ナチュラルワインの醸造を学び、サロンなどにも精力的に参加をしていきました。
彼女のナチュラルなワイン造りに大きな影響を与えたのが同じカラブリアの特別な生産者”ア・ヴィータ”の”フランチェ スコ・デ・フランコ”との出会いです。
フランチェスコは非常に誠実で暖かい人物で、マリアンジェラに醸造に関しての 助言を与え、彼女がワインの道に進む船出を手助けしてくれました。
友人としても非常に良い関係を築いており、少数 の同じ志を持つカラブリアの生産者達と共に”Ciro’Revolution”というグループを形成しています。伝統、歴史、環境、 健康で健全なワイン作りなどに敬意を示した団体です。
フランチェスコは彼女にとって、そしてチロワイン界にとっても非常に大きな、大切な存在となっています。
父フランチェスコと兄弟のジュゼッぺが担当する畑はビオロジック農法で 栽培されており、クラシックなアルベレッロ仕立てです。
イオニア海に面した畑は恵まれた天候と太陽のおかげで銅と硫黄の使用も最低限に抑えることができます。素晴らしく美しい風景は訪問する人々を魅了してくれ、「その美しさと素晴らしさはワインを注いだグラスからも感じる事ができる」 とマリアンジェラは言います。
栽培品種はこの土地の重要な品種である”ガリオッポ”と”グレコ・ビアンコ” の2種類を栽培。
ガリオッポはロッソとロザートを醸造、グレコは短期間の マセラシオンを行いその特徴を引き出したエリア内でも異彩を放つワインです。
マリアンジェラが行う醸造は自然酵母で発酵するナチュラルなアプローチ。 しかし彼女たちのワインはとても安定感がありネガティブな要素は見当たりません。
一番最初にチロ・ロッソをテイスティングをしたときは本当に驚きました。
古いVTでは無いのに、独特のカラメル感、熟成感、アパッシメントした葡萄のような奥深さを感じる豊潤な果実味。
カラブリアの中でも特別な造り手な のだとすぐに解りました。
カラブリア自体がイタリアワイン界ではまだまだ主流なワインとは言えないですが、その中でも彼女たちのワインはひと際異彩を放っています。
大昔、移民としてこの地に立った先祖たちの中で、大地を耕し、葡萄の収穫 の中心にいたのは常に女性たちだったそうです。
カラブリアの歴史は強くたくましい女性の歴史でもありました。
マリアンジェラはその系譜をしっかりと受け継ぎ、ワイン醸造という新たな可能性を示しています。
土地への尊敬と愛情、それらの強い思いが詰まったワインはこれから多くの人々の心に感動を与えていくでしょう。
(輸入元資料より引用)
Ciro Bianco / Tenuta del Conte