カステル・デル・ピアーノ
蔵元の場所はトスカーナの辺境、最北西部になるルニジャーナにあり、リグーリアとエミリア・ロマーニャとの境に位置している。
2000年代初頭に元ミラノの製薬会社に勤めたアンドレアとパートナーのサヴィーナは、太古の歴史ある地で、希少な土着品種によるワイン造りを再興した。
彼らの畑のすぐ近くを流れるタヴェロネ川(渓谷)が流れるが、ここは遥か昔には非常に急流であったことが河床の深い堆積物から分かっている。
その急流のため30m以上の深さに切り開かれた谷によって孤立された高台の端に彼らの畑は位置している。
そのため、長い年月にわたって他の地域から隔離されていたこともあり、今では希少となってしまった品種が数多く残っている地域となった。
このような環境下で、古えからの歴史が育んできた本来の土壌の活力と生物多様性とを何よりも重視し、厳格なビオロジックの思想に根差した、朴訥な素性ながら感性豊かなワインを醸している。
現在は同社のほとんどのワインでSO2添加は全く無しかごく僅かのみだが、安定感もしっかりと重視してワインとしての完成度高く仕上げている。
ロザート ”クラレ”
2日間のマセレーションを経てロゼワインとして仕上げるカステル・デル・ピアーノの”クラレ”は、ヴィンテージによってカナイオーロ、ヴェルメンティーノ・ネロ、ポレーラ、ピノ・グリージョ等のブドウをヴィンテージに応じていずれかを使用して造られる。
前年2019年はピノ・グリージョとピノ・ネロのブレンドとなり、ロゼとしての色合いはかなり濃いめながら柔らかさと華やかさのある酒質に仕上がっていたが、今回の2020年はカナイオーロ単一使用に「戻った」。
今回の2020年は再びカナイオーロ単一使用になったことにより、やはり心地良さのあるタンニンが前年よりも感じられる。
味わいも開いており、バランスも上々、色見濃い目の味わい深いロザートに仕上がっている。
rosato clare