ソーヴィニヨンブラン80%、シャルドネ20%、
樹齢10~15年。
除梗せずに圧搾、果汁のみで醗酵。
ボトル詰めの前に保存していたモストを加え、瓶内二次醗酵を行う。
オリとともに瓶内12カ月の熟成、オリ抜きをしたのちにリリース。
二次醗酵の酵母は使わず、ドサージュも行わないメトードクラッシコ(瓶内二次醗酵)のスプマンテ。
2020年は収穫にも恵まれた果実的なヴィンテージ。
もちろん酸もしっかりありますが、そこに肉付けされた果実が非常に心地よいスプマンテ。
今年よりだいぶ値上げとなってしまいましたが、それでも味わいからはかけ離れた、
素晴らしいクオリティのスプマンテ。
【生産者紹介】イル・ファルネート
当主であるマルコ ベルトーニは、幼い頃から見てきたワイン造りに強い憧れを持ってきた。
2000年に8ha放棄地を手に入れ、ブドウ栽培を開始。効率を考えた近代的な農業を嫌うマルコ、あくまでも手作業を中心とし、ビオディナミ式の
農業を取り入れつつ、自然環境を尊重した循環型の栽培を追求。
畑では一切の農薬、肥料(堆肥さえも)を使用せず、ボルドー液についても、畑を開始した2001年よりほとんど使わないことに驚愕する。「自分にとってマルツェミーノやスペルゴラは、とても身近なワインだった、それこそ常にテーブルにある、
そんな存在。だから無為に凝縮したワインを造ることよりも、当たり前にあった風景や、伝統を残していきたいんだ。」そう話す彼。
あくまでもテーブルワインとしての存在を求める、反対を言えばそんな当たり前の事さえなくなりかけている現実に、逆らうこと。これこそが彼を動かした原動力といえるだろう。
醸造においては、少なからず温度の管理はするものの、不必要な酵母添加を行わず、ごく最低限の亜硫酸を使用するのみ。
フリッツァンテは、醗酵が終わったのちにボトル詰め。スペルゴラから造ったモストコット(煮詰めた果汁)を少量添加し瓶内二次醗酵を行う。
その後スボッカトゥーラ(オリ抜き)せずにリリース。マルツェミーノは屋外にある大型のセメントタンクで醗酵、圧搾後春まで、外気の寒さを利用してオリ引きを行うなど、古くからおこなわれてきたワイン造りを忠実に守りながら生まれるマルツェミーノは、驚くほど純粋で直観的な味わい。
そして、すべてのワインに共通する骨太な酸と果実的な雰囲気。醸造的な未熟さを埋めるのに十分な素材のよさ。
素晴らしい信念と情熱を持った造り手。
gabian / ilfarneto