樹齢25年。収穫は9月第二週に行い、破砕の後にステンレスタンクにて24度で発酵。
マセレーションを経てフレンチオークのバリック二種類(3年使用と新樽の50%づつ)で10カ月熟成させる。
その後ステンレスタンクにて合せて6ヶ月後にボトリングする。
紫色を帯びた濃いルビー色。
チェリーやプラムの様な鮮烈ながらもしっかりした香りと味わいが楽しめる。
濃密でありながらも、中心部にある抜けの良さが喉の通りを実に良くする事に気づく。
ネロダーヴォラという個性と味わいの強い葡萄でありながら、さもすると逆にネガティブになりつつある濃厚さと、現代的なスムースさを兼ね備えたバランスの良さが光る。
葡萄のポテンシャルと飲み手の捉え方を緻密に計算して捉えているワインと言える。
この点こそGorghi Tondiの長所であり、このワインはそれを見事に体現している。
豚肉のロースト、ジンギスカンなどのお肉料理と相性抜群です。
重厚さのある果実味と、ほんのりスパイスの香り。
一方で驚くほど柔らかい口当たりで飲みごたえのある旨みが感じられます。
sorante Nero d’Avola / Tenuta Gorghi Tondi
【生産者紹介】ゴルギ・トンディ
シチリアは西部、トラーパニから南に30分ほど行った港町「マツァーラ・デル・ヴァッロ」。
ゴルギ・トンディはここから車で10分程の場所に位置しています。
もとはトラーパニの銀行家であった祖母が、WWFの環境保護地区となっている自然公園を買い取ったのが始まり。
この湿地付近は一般的なシチリア島の乾燥したイメージとは異なり、草木や水草が生い茂る水辺を中心とした生き物の生活環境を形成しており、ラムサール条約にも登録されています。
その特異な環境が土壌にも影響を与え多くのミネラルやその他有機物を含む土地を生み、また湿地から数キロ南に進めば海に出る為、海からの栄養も重なる豊かな土壌を形成している特徴があります。
ゴルギ・トンディそしてラムサール条約やWWF、イタリア政府の指定により環境保護地区となっている為、農業においても特に湿地付近は農薬などの使用は厳しく制限されています。
シチリア島の気候は夏に暑く冬も比較的温暖というものですが、昨今の地球規模の温暖化の中で夏の暑さが厳しく、それはワインにおいても深刻な問題でもあります。
しかし、この地の環境は上記の通り豊かな湿地と海からの風により夏でも33度程度、冬は5度を割らないという穏やかな気候であり、ワイン自体も必要以上に強烈な味わいを全く求めておらず、むしろ透明感と穏やかな飲み口を持った内容となっています。
素朴、というよりは洗練されたワインに仕上げているゴルギ・トンディですが、特徴的なテロワールを十分に表現している素晴らしいワインばかりです。
ぜひ一度お試しくださいませ!