食用品種である「マスカット・オブ・アレキサンドリア」100%で作られた白ワイン。
マスカットならではのゴージャスで甘やかなアロマでありつつも、キリッと辛口に仕立てられています。
黄色かかった透明感のある色彩。ライチやマンゴー、パイン、そしてバナナのニュアンスのあるアロマティックな香り。
口に含むとジューシーで繊細な黄色い果実の味わいが感じられ、酸味も感じながらも実にエレガントなバランスが保たれている。
時間が経つにつれ、程よいボリュームも出て来る。
デリケートな面を醸し出しつつも、豊かなアフターと厚みのおかげで、持続性も長く、多様な面を楽しめるのもポイント。
輸出担当のイヴァンが「絶対おススメなんだ!」と熱っぽく語った理由はおのずとわかるであろう。
<おすすめお料理>
尾長マグロのカルパッチョ、カラスミのパスタ
【生産者紹介】ゴルギ・トンディ
シチリアは西部、トラーパニから南に30分ほど行った港町「マツァーラ・デル・ヴァッロ」。
ゴルギ・トンディはここから車で10分程の場所に位置しています。
もとはトラーパニの銀行家であった祖母が、WWFの環境保護地区となっている自然公園を買い取ったのが始まり。
この湿地付近は一般的なシチリア島の乾燥したイメージとは異なり、草木や水草が生い茂る水辺を中心とした生き物の生活環境を形成しており、ラムサール条約にも登録されています。
その特異な環境が土壌にも影響を与え多くのミネラルやその他有機物を含む土地を生み、また湿地から数キロ南に進めば海に出る為、海からの栄養も重なる豊かな土壌を形成している特徴があります。
ゴルギ・トンディそしてラムサール条約やWWF、イタリア政府の指定により環境保護地区となっている為、農業においても特に湿地付近は農薬などの使用は厳しく制限されています。
シチリア島の気候は夏に暑く冬も比較的温暖というものですが、昨今の地球規模の温暖化の中で夏の暑さが厳しく、それはワインにおいても深刻な問題でもあります。
しかし、この地の環境は上記の通り豊かな湿地と海からの風により夏でも33度程度、冬は5度を割らないという穏やかな気候であり、ワイン自体も必要以上に強烈な味わいを全く求めておらず、むしろ透明感と穏やかな飲み口を持った内容となっています。
素朴、というよりは洗練されたワインに仕上げているゴルギ・トンディですが、特徴的なテロワールを十分に表現している素晴らしいワインばかりです。
シチリアらしい過度な凝縮感を避けた瑞々しい味わいは、土地を表現した彼らならではの哲学。
ぜひ一度お試しくださいませ!
Rajha Zibibbo / Tenuta Gorghi Tondi