シチリアに伝わる古代チョコレート
長い間スペインの統治下にあったシチリア。
16世紀の新大陸発見と同時にスペイン人によって、アステカ帝国で薬として食されていたチョコレートのレシピとカカオが持ちこまれました。
その作り方は、カカオの香りを最大限活かすために低温で溶かし、そこに砂糖を加えるというシンプルなものです。
口当たりを滑らかにするカカオバターや乳化剤などは一切加えません。
砂糖はカカオより融点が高いため溶けることなく残り、シャリシャリとした特徴的な食感に仕上がります。
そこにスパイスを加えるのが基本ですが、現在はフルーツを使う事も多く、様々な種類がつくられています。
しかしベースの製法は昔から変わらず受け継がれ、「古代チョコレート」と呼ばれるようになりました。
バロックとチョコレートの町「モディカ」
シチリア南東、渓谷に囲まれたバロックの町が「モディカ」です。
歴史が残る街並みは美しく、2002年には世界遺産に登録されました。
モディカはチョコレートの町としても名を馳せており、45軒ものチョコレートショップがあるといいます。
シチリア最古のチョコレートメーカー「ボナイユート」
数多くのチョコレートショップが立ち並ぶモディカの町で、一番の老舗として愛され続けているのがボナイユート社。
1880年にフランチェスコ・ボナイユートによって創業されました。
そこから現在まで、伝統を受け継ぎながらも研究と革新を重ねて今に続いています。
伝統的な製法はもちろん、カカオの香りを最大限に引きだした素朴でありながら風味豊かなチョコレートは、多くのファンを生み出しています。
大人が嗜むフレーバーチョコレートの数々
ボナイユートはフレーバーの豊富さも魅力の一つ。
並べるだけでワクワクするようなライナップです。
フレーバーごとにカカオの含有量も異なり、どれを選んでもボナイユートの繊細で丁寧な職人の技を感じさせます。
ここではその中の一部をご紹介します。
チョコレート”バニラ”(100g)
カカオ含有量50%と、シナモンとともに砂糖が一番多く含まれているため、シャリシャリ食感も一番強くお楽しみいただけます。
創業当時からある看板商品のひとつです。
チョコレート”塩”(50g)
カカオ含有量80%のシチリア産海塩入りチョコレート。
ビターな味わいながら、塩の存在がカカオの甘味を引き出してくれます。
チョコレート”白胡椒”(50g)
カカオ含有量は65%で程よいビター。
主張はありませんが余韻にふわっと感じる白胡椒の風味がクセになる…個人的に一番好きなフレーバーです。
チョコレート”オレンジ”(50g)
カカオ含有量 65%。
乾燥オレンジピールのほろ苦い味わいと自然な柑橘の香りが楽しめます。
(輸入元資料を参考)
ボナイユートのフレーバーチョコレートは天然の素材のみを使用し、カカオの香りを活かすためにどれもほんのり感じる程度しか加えません。
ワインや日本酒と相性の良いものも多く、まさに大人のチョコレートといえます。
力強いカカオの味わいと上品に香るフレーバーとの調和をお楽しみください。